美濃電軌セミボ510形(名鉄510形)

Photo by: Yoshihisa Ohno

大野義久さん推薦

(写真提供:大野義久さん この写真は転載禁止です)

 

 ”名鉄600V線区の古豪 モ510

 全国の私鉄を見回しても、この電車の右に出る現役車両は無いで

 しょう。

 戸袋に残る丸窓や、曲線を強調したその優美な車体からは、大正

 ロマンの香りが漂います。田舎鉄道の風景が残る谷汲線と共に、

 後世に残したい名車であります。
  

大野義久さん美しい名鉄の名車モ514の写真をお送りいただきました。

戦前の電車の正面窓はごく一部の例外を除いて3枚か5枚と決まっていました。

なぜ2枚や4枚や6枚といった偶数ではいけないのか。その答えがこの写真の

中に見事に示されています。

そう、もともと電車という乗り物は欧米では馬車を起源とし、それが道路上を

走る郊外電車として発展してきたものであって、運転台が正面中央に設置

されていたからです。奇数窓はその名残であり、この伝統は1951年(昭和26年)

に「湘南窓」の国鉄モハ80形電車が登場するまで守り続けられました。

名鉄モ510形は美濃電気軌道(揖斐線と美濃町線の前身)が1926年(大正15年)

セミボ510形として導入した13m級電車で、乗降扉後ろの楕円形の窓が

お洒落でした。

下は1959年(昭和34年)当時のモ512で、まだ帯板部分に赤いラインが入って

いないため随分印象が異なって見えます。

美濃電軌にはセミボ510形と同系列の電車として、先に登場していた

DB505形(名鉄520形)というのもありましたが、こちらは丸窓がなく、

それほど有名にはなりませんでした。(里見)

1959.10. 岐阜市内 Photo by: T. Satomi