南海電鉄ED5101形

1961.11. 和歌山市駅 Photo by: T. Satomi

南海電鉄天下茶屋駅のホームで電車を待っていたら突然牛の鳴き声が

聞こえたので、驚いて振り向いたら反対側のホームをに貨物列車が停車

している。その家畜車の中をじっと見つめると牛の目が光っていてむこうも

私をじっと見ていた。1960年(昭和35年)頃の話である。

南海電鉄は関西の6大私鉄の中では唯一貨物輸送を本格的に行っていた

会社だった。その貨物列車を牽引していたのが凸形電機のED5101形

ED5101形は1922年(大正11年)日本車輌製の「電機第1号形」の1101-

1104と1923年(大正12年)梅鉢鉄工所製「電機第2号形」の1105-1014

1936年(昭和11年)に改番されたもの。1922年(大正11年)といえば鉄道省では

まだ1000形(後のED10形)、1010形(ED11形)、1030形(ED13形)

といった輸入電気機関車が実験走行を開始したばかりだったが、私鉄では

すでに国産の実用機が活躍し始めていた。

もっとも電動機や制御機器はドイツのアルゲマイネ(Allgemeime)社製の輸入

品を使用しており、完全な国産機とは言えない。(電動機は後に日立製に

交換)

ED5101形はキャブの側面にお行儀よく並んだ4つの窓に特徴があって、

凸形ながら洗練されたスタイルを有しており、大正生まれの古参電機とは

見えない。このED5101形が重連で南海本線の貨物列車を牽引する姿は

長く南海電車ファンの目を楽しませた。終戦直後の電動車不足の折は、

自走できない付随車数輌を牽引して旅客列車として活躍したこともあり、

これに乗った記憶のあるオールド・ファンも多い。