阪和電鉄ロコ1000形

1983.4. 熊谷車庫 Photo by: J. Satomi

日本の国産電気機関車黎明期において日本車輌−東洋電機のコンビは

いくつかの名機を誕生させている。その代表的なもののひとつが1930年

(昭和5年)にデビューした阪和電鉄ロコ1000形である。

その4年前に国産初の本線用電気機関車として誕生していた日立製作所

製ED15形が定格出力205KW/hのMT18型電動機を装備していたのに

対し、ロコ1000形の電動機は148KW/hのTKD556-A型で、出力の点

では劣っていたが鉄道省に先駆けて発電・回生ブレーキを備えており、

また車体はリベットレスの全溶接構造を採るなど先進機能を有していた。

阪和鉄道では1930年(昭和5年)から翌1931年(昭和6年)にかけてロコ1001-

1003の3輌を導入し、太平洋戦争中の1944年(昭和19年)に1004を増備

したが、同社の国有化に伴って国鉄に編入されED38形となった。

1959年(昭和34年)に国鉄を追われて1号機と3号機は秩父鉄道へ、2号機は

大井川鉄道に払い下げられたが後に2号機も秩父鉄道に譲渡され、同社の

名物的存在となっていた。

秩父鉄道では3輌のED38形を貨物列車用として長く愛用していたが、

他の古典電気機関車によく見られた車体窓のHゴム化などの改造を

ほとんど受けずに、まことに阪和鉄道らしい上端部にRがついた釣鐘形の

窓を優雅に残している。