583系

1977.8. 福島駅 Photo by: J. Satomi

木村洋文さん推薦

 

 さて、今日は夜行列車の女王こと、583系寝台特急用電車を推薦した

 いと思います。夜行のみならず、昼行特急にも使用されましたし、現在

 では定期運用が一部しか残っていませんが、その活躍範囲は大変な

 ものなのではないでしょうか?

 また、583系の一般転用形である419・715系も迷車として、我々の記憶

 に残る車両になるのではないでしょうか?
  

世界初の寝台特急電車である581系は1967年(昭和42年)に、そして583系

は翌1968年(昭和43年)に誕生しました。

時代はまさに高度成長のまっただ中、船舶の世界では1966年(昭和41年)に

排水量21万トンの出光丸が世界最大のタンカーとして登場した頃で、日本の

工業製品が次々と「世界初」「世界最大」を名乗り始めていました。

581・583系電車は「寝台は客車」というそれまでの常識を打ち破った車輌

として意義があったわけですが、同時に少しでも車内空間を広くするために

車体は車輌接触限界ぎりぎりに設計され、恐らく車輌容積という点でも「狭軌

世界最大」だったかもしれません。そのばかでかさは模型を手に取ってみると

よくわかります。世の中は「重厚長大」が最ももてはやされていた時期でした。

「寝台電車」という概念が生まれた背景には、「車輌運用効率の向上」という

当時の国鉄の大命題がありました。平たくいえば昼間しか使えない一般型

特急電車と夜しか使えない寝台客車をたして、昼夜の区別なくこき使おうと

いう考え方であります。

また先頭車は流線形の偉容を残したまま、分割・併結も容易に行えるよう

貫通扉が設置されたため独特のフロントマスクになりました。

このように多面的な要素をふんだんに盛り込みかつ成功した例として581・

583系は名車と呼べますし、だからこそ今日まで生きながらえているのだと

思います。(里見)

1977.8. 野辺地駅 Photo by: J. Satomi