1974.3. 北見機関区 Photo by: Junichi Satomi

北見機関区所属の79667号機は、770輌が製造された9600形のラスト

から3番目に製造されたカマ。9600形は90%が川崎造船所で製造、残り

を汽車製造と小倉工場が分担したが、同機は少数派である汽車製造製で

更にその最終ロットとなった1926年(大正15年)製79666〜79669の4輌の

内の1輌。

但し、9600形の製造輌数が770輌というのは本当は正しくない。1928年

(昭和3年)から1936年(昭和11年)にかけて樺太庁向けに新たに14輌が製造

され、当初はD50形を名乗ったが、大平洋戦争末期の1943年(昭和18年)に

国鉄に編入、79670〜79674及び79680〜79688となっている。

更に記録では内地から6輌の9600形が樺太に渡っている。

前置きが長くなったのだが、そこで、である。北見機関区に生き残った

79667号機の特徴ある炭水車の形状、キャブ側に設置された円筒形の

カバーはもちろん防寒用のものであることは間違いないが、これは樺太庁

所属機が装備していたカバーとまったく同じものなのである。ひとつの想像

が働く。同機はもしかしたら大平洋戦争末期に樺太への転属が決まって

いて、事前に樺太仕様の炭水車改造を受けていたのではないか。それが

何らかの事情で彼の地に渡る機会を失い北海道にとどまったまま終戦を

迎えたのでないか。

変形機と呼ばれるひとつの機関車から、様々なドラマが想像される。

●NO.1:阪神電鉄113 ●NO.2:阪神電鉄X-13 ●NO.3:岡山電気軌道100・300形 

●NO.4:オヤ30 4 ●NO.5:阪急電鉄201+251 ●NO.6:越後交通無蓋車 

●NO.7:D51 267・346号機 ●NO.8:38666・68658号機 ●NO.9:9608号機 

●NO.10:29639・29689号機 ●NO.11:尾小屋鉄道DC121 ●NO.12:阪急電鉄1554 

●NO.13:西武鉄道モハ401形 ●NO.14:身延線クハ66 ●NO.15:近江鉄道クハ1214 

 ●NO.16:京王帝都デハ2600形 ●NO.17:79667号機