

太平洋戦争後、各地の地方私鉄で蒸気機関車をディーゼル機関車に改造する工事が行われたが、これらは動力近代化というよりもその当時は石炭よりも石油の方が比較的入手しやすいからという切羽詰まった事情があった。同様の理由で遠州鉄道奥山線や淡路交通のように一挙に電化してしまった例もある。蒸気機関車からディーゼル機関車に改造されたものとしては静岡鉄道駿遠線におけるいゆる「蒙古の戦車」や、御坊臨港鉄道(現紀州鉄道)でB20形を改造したDB2012などが有名だが、それらの例に較べると尾小屋鉄道のDC121は協三工業という立派な小型車輌メーカーが手がけただけに、しっかりとした改造になっている。種車は尾小屋鉄道開業時に大日本軌道鉄工部、すなわち雨宮から購入した2輌のC形12トンタンク機関車で、同鉄道では1・2号機と呼ばれていたものを1952年(昭和27年)に改造した。DC121形は全長5,790mm、自重は蒸機時代と同じ12.0t、定格出力115PSの三菱自動車製DF2L型というディーゼルエンジンを搭載している。雨宮製の車輌は現存しているものが極端に少なく、たとえ一部の部品だけにせよ雨宮の血が残った車輌という意味でも貴重な機関車。 |