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司会:安保さんの対象は、今後ますます日本の国土から減っていきますね。安保:関西近辺じゃなくなりましたから、自然遠くまで足をのばさなきゃならなくなります。司会:一番遠くへ行かれたのは?安保:稚内です。あそこには国鉄最北端の駅という看板が出てました。堀井:あそこの入場券の回収率は一番悪いそうですね。門根:堀井さんみたいな人が多いから。堀井:その方が駅でも整理せんでいいから助かるんですよ。司会:専用軌道全部写してしまったら、方向転換ですか?安保:そうせざるを得ないでしょうね。でも、国鉄の一般の営業用の車輌より、息は長いと思うんです。専用鉄道は持主が小さい会社が多いので、近代化しようと思ってもできないところが多いんです。自然、石炭使うのばからしいけれども、いつまでたっても金がないから、旧態依然たる蒸気機関車にマッチ箱を引かせているので、対象は当分消えない。門根:安保さんなんかは、線でつながって写しにいくんじゃなしに、点ですね。非常に労力がかかるわけですね。司会:私らでしたら、1日線路の横におれば何十輌でも撮れますけれども、安保さんなんかは、1日かかって1輌しかとれないということもあるわけですね。門根:とにかく国鉄幹線からは蒸気機関車は全部消えてしまうから、蒸気機関車関係の人は急がなくちゃいけないですよ。堀井:蒸気機関車もそうですが、東海道新幹線ができたら、「こだま」なんかもなくなりますからね。 |
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司会:「こだま」の試運転に乗せてもらったのは、ついこの間のような気がしますが、この10月にはなくなるわけで、実際目まぐるしい。マニアもそれだけ目まぐるしくなってきます。門根:鉄道はじまって90何年で、いまが過渡期のような気がしますね。切りかわれば一応落ち着くでしょうが、一面からいえば、恵まれた時期でもありますわね。堀井:「レールファン」を見ると、アメリカには蒸気機関車がない。日本にはいろんな種類のやつがあるから、というので、4月か5月ごろ、20何人やってくるそうです。司会:アメリカの鉄道マニアはスケールが違いますね。門根:向うのは、蒸気機関車を1台買って、みんなで運転やろか。ちょっと日本と違いますわ。司会:動力近代化で、蒸気機関車をなくして電化し、ディーゼル化しつつあるんですが、現在ほど車種が多いのは、いままでなかったですね。門根:これから規格統一されていったら、いままでみたいなおもしろさは少なくなるでしょう。司会:私は逆の考え方なんですが、昔は特急用、急行用、通勤用と基本の形ができあがれば、3、4年は同じ形のものを作ってましたね。このごろのようにEF60が出たかと思うと61が出る。アプト区間を廃して62、それの補助機として63が出た。今年のはじめにEF64を発表している。こう矢継早にニューモデルの出るというのも、最近の特徴じゃないかと思います。堀井:電車でもそうですね。勾配用とか、交直両用とか、60サイクル、50サイクルもありますし。電車は色がきれいになりましたね。司会:湘南電車にはじまった、新しい色彩で、むしろ私鉄の方が国鉄にハッパかけられている形ですね。門根:昔のカラスと違うてきれいになって、旅行していても快適ですね。しかし味はなくなったような気がしますし、台風とか災害のときの復旧は、電車は遅いですね。その点蒸気機関車はいい。独力でいける。安保:線路さえありや走りますからね。司会:大きな天災地変でもあれば、たちまちマヒしますね。安保:蒸気機関車を廃車してディーゼルにしているが、結局燃料は全部輸入ですからね。戦争でもはじまった途端に逆戻りですよ。司会:マニアより一般の人がさわいでいる気がしますが、新幹線の開通、超特急の相場に多少ブレーキをかけるような記事も週刊誌なんかに出てますが。門根:4時間かかるなんていい出しましね。もう少し路面が落ち着かないと無理でしょう。司会:土盛り区間のピッチの固まり方がね。半年ぐらいかかるでしょうね。門根:しかし、新幹線はニュースの材料にはなっていますね。とにかく200キロで営業運転に入るのは、世界でもはじめてですから、ニュースバリューはありますよ。司会:安保さんなんかは興味ないですか。安保:便利で、きれいだろうという程度ですね。東京まで3時間で行けるとしたら、そこを基地に足を伸ばせるという意味では便利になりましたが、われわれ写真を写す立場からいうと、あまり興味ありません。 |
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門根:去年は近年にない大雪で各所でマヒしましたね。ああいうのは、何とか早く回復できんのでしょうかね。司会:何分雪害の多い線というのは、非常に赤字をかかえ込んで施設に投入する余地がないんでしょう。堀井:あれが東海道線なら、放っておかないでしょうが・・・門根:日本の雪はベタ雪だから困るらしいですよ。動きが取れない。救援に行った列車がそこで沈没してしまう。司会:ミイラとりがミイラになるんですね。門根:この汽車はいつきますか?と駅へ行って聞いても、わかりまへんな・・・。どうにもならんのですよ。司会:鉄道マニアも利用者として毎日鉄道を利用しているんですが、利用者としての感じ方が違うと思うんですが。門根:理屈はとにかくとして、みんなやかましくいっているラッシュの問題にしても、むずかしいですね。司会:一般の利用者は、電車が混んでくると、車輌増結せいとか無責任なことをいいますが、鉄道マニアはこれ以上増結できないとか、これ以上臨時列車が出せないことがよくわかってますから、注文が出しにくいですね。列車が遅れて到着しても、一般の人は駅員や駅長室になだれ込んで文句をいうが、こちらはすぐ、鉄道の側に立って考えて、同情してしまう。門根:大きな施設ですから、連絡1つにしても大変ですし。堀井:しかし、このごろ電化しますと、快速であったのが準急になったり、準急が急行になったり指定急行になったりしてますね。あれは実質的な値上げですよ。門根:あれは考えよったな。サービスしてるといいながら、実際は金もうけしている。堀井:それと普通列車が減りましたね。ついこの間まであった大阪から青森までの普通列車、30時間くらいかかるんですが、なくなったし、上野から米原行の普通もなくなりました。その前は東京から門司行の唯一の九州行普通列車、あれも姫路で打切られた。ああいういわれのある列車は残してほしいですね。安保:接続時間を20分ぐらいにしてくれたら、写真をとれるけれど、どこへ行っても4分か5分で忙しくなった。門根:写真をとる人を相手にしてくれませんよ。まあ過密ダイヤの影響が出てきてるんですね。司会:このごろは、駅でもの買うこともできませんね。堀井:駅弁でなく、汽車便になってしまった。司会:僕なんか、8時間で走ったのを6時間半にして、1時間半速くしてもらったからといって、1時間半有効に使っているわけじゃないから、いままでの時間で、昔の列車で走ってもらう方がうれしいですよ。 |
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司会:鉄道マニアの特権というとどんなものがあるでしょう。安保:僕は糸魚川の東洋活性白土へ、11月の夕方行ったんです。向うの人、手を洗ってしまいかけていたんですが、わざわざ機関車を引っ張り出して、駅のところまで来て写させてくれて、帰る駅までその機関車に乗せて送ってもらいました。司会:まるでお召し列車ですね。私は国鉄の服を借りまして、中島さんと2人で「第1きのくに」号で白浜まで運転台で立ったまま行ったことがあります。帰りはそのまま「第2きのくに」ですぐ引き返したんですが1等に座らせてもらいました。行きは運転台、帰りは1等の日帰り旅行で。門根:運転台に乗ったり、機関車に乗せてもらうことは、マニアでないと味わえないものがありますね。司会:一番前で見ていると、どうしても信号とか、タブレットまで見てしまうので、疲れますよ。運転手に任せておけばいいものをね。門根:運転台に乗ると、運転手は大きな労働やと思いますね。司会:長距離列車の乗客専務なんかでも、東京−大阪間で切替え券だけで7万円くらい扱うんですから、大変な仕事ですよ。門根:普通はそれぐらいで、年末とかお盆には3、40万はざらなんです。司会:おもしろいのは、ハコ師は、乗客専務だけはねらうなというジンクスがあるらしいですね。門根:そら乗せてもらって商売しとるんやから、それをやったら元も子もなくなっちまう。司会:われわれの旅行は、合理的、合法的に安く行こうとするから、経路もややこしくて、交通公社も嫌いますね。堀井:交通公社はあきませんね。門根:ややこしいお客さんやからな。司会:中継の中島さんと長野へ旅行したとき、乗客専務にコースを説明して、切符切ってもらったんですが、中島さんの計算の方が合って、乗客専務がだいぶ安い計算をしているんです。あのまま黙ってきたら安く来られたんですけれど、鉄道マニアですから正直に「これだけでしょう」と規定の料金を払いましたが。門根:向う、どんな顔してました。司会:乗客専務さん、向い側の座席に座り込んで、あとはいろいろ雑談しながら来たんですが、「鉄道友の会の方には僕たちかないませんよ」いうてましたよ。(完) |
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