20日:買収国電代表 国鉄クモハ20形 

                                1962.4.長居駅 Photo by: T.Satomi

太平洋戦争直前から戦争中にかけて国策により多くの私鉄が統合・買収

されていく中で最大規模のものが阪和鉄道の合併・買収であった。

阪和鉄道は1929年(昭和4年)に開業、天王寺−東和歌山間61.2kmをわずか

45分、表定速度81.6km/hという驚異的なスピードで結ぶなど話題をまいた

鉄道会社だったが、臨戦体制下の1940年(昭和15年)に南海鉄道に合併、

更に1944年(昭和19年)には戦時輸送体制強化の目的で国有化されてしまった。

この結果、名車モヨ100形を含む大部分の旧阪和鉄道の電車が戦後は

買収国電としてそのまま阪和線を走ることになるのだが、その中でも特に

異彩を放っていたのが上の写真のクモハ20 100−103、すなわち

旧阪和鉄道モタ3000形であった。

モタ3000形は阪和鉄道時代に発注され、ノーシルノ-ヘッダーの車体に

客窓の上端が大きくRを描いた、非常に優雅なスタイルを持った電車に

なるはずだった。しかし登場した時代が悪く、太平洋戦争直前の物不足

の中、電装品を調達できないというアクシデントに見舞われ、結局デビュー

を果たしたのは、既に南海鉄道に合併された後であり、世の中はもう電車の

スタイルに優雅さを求めるどころではなくなっていた。

モタ3000形4輌は国鉄買収後、モハ2250形になり、1959年(昭和34年)の

改番でクモハ20形100−103になった。

上の写真の先頭車はクモハ20 101。