1961.10. 春日部駅 Photo by: T. Satomi

半流線形の正面に張り上げ屋根風の20m級電車。東武鉄道の旧型車に

は見かけないタイプである。しかしそのスマートな車体が、この電車の

悲しい過去を物語っている。

写真のクハ360は、元省電のエース、クハ55形の成れの果てなのである。

1937年(昭和12年)に汽車製造東京支店にて製造されたクハ55 048は、

1945年(昭和20年) 5月25日の東京空襲の際に大久保駅にて全焼した。

1946年(昭和21年) 11月付で廃車手続が行われた後、東武鉄道に払い下げ、

大榮車輌にて復旧工事が行われた。特徴ある半流線形の正面形状は残っ

たが、貫通扉はつぶされてその中央部分に運転席を据えている。

一見、張り上げ屋根に見えるが実はそうではなく、雨樋が省略されている

だけという粗末な復旧工事であった。

雨露を防ぐ術もない復旧車クハ360は、運輸省供出のモハ63形と皮肉な

永久MTc編成を組まされ、小雨降る春日部駅を浅草に向けて立ち去って

行った。


以前の大画像

●NO.1:DD20 2号機 ●NO.2:D51 265号機 ●NO.3:紀州鉄道キハ40801 

●NO.4:C55 19号機 ●NO.5:新京阪デイ100 ●NO.6:ED75 501号機 

●NO.7:29608号機 ●NO.8:スハ32 286 ●NO.9:D52 355号機 

●NO.10:C58 316号機 ●NO.11:食堂車ナシ20 ●NO.12:京浜急行クハ156 

●NO.13:D51 362号機 ●NO.14:ED30 1号機 ●NO.15:北見機関区転車台 

●NO.16:弘南鉄道モハ2026 ●NO.17:東武鉄道モハ3210 ●NO.18:クモハ73 024 

●NO.19:D51 727号機 ●NO.20:スハネ30 50 ●NO.21:山陽電鉄200形 

●NO.22:京阪京津線20形 ●NO.23:C11 41号機 ●NO.24:西武鉄道クハ1311 

●NO.25:C58 33号機 ●NO.26:南海電鉄モハ2001系 ●NO.27:同和小坂鉄道DC1形 

●NO.28:C55 46号機 ●NO.29:C55 52号機 ●NO.30:京王帝都デハ1402 

●NO.31:近鉄モト2721+2722 ●NO.32:交直両用電車クハ401 

●NO.33:名古屋鉄道ク2132 ●NO.34:京阪電鉄1820 ●NO.35:横浜市電1001 

●NO.36:大阪地下鉄6000形 ●NO.37:ワフ21000形 ●NO.38:銀座4丁目交差点 

●NO.39:阪急電鉄672 ●NO.40:西鉄福岡市内線102 ●NO.41:名鉄モ301 

●NO.42:D61 4号機 ●NO.43:マハ29 73 ●NO.44:モハ70 121