

3年間続いた大画像シリーズでは初めて貨車が登場。私は幼い頃から数ある貨車の中では有蓋緩急車、いわゆるワフに最も心を惹かれた。理由は単純で、車掌室があってその上に貨物も積めるところが何となくお得に感じたからである。こんな貨車を1輌保有し、貨物列車の最後尾に連結してもらってアテのない旅に出る。操車場に到着したらまた別の貨物列車の最後尾に連結してもらう。自分は車掌室内で生活し、その上に家財道具も貨物室で運ぶことができる。しょうもない夢だった。学生時代に吹田工場内を見学する機会があって、その時に有蓋車掌車の中を見せてもらった。内部はニスの香りがする木張りの壁で、机、椅子、整理棚、ソファ、ロッカー等がコンパクトにまとめられている。ストーブはあるがトイレがないのがちょっとうまくないなと思った。その時に見学したのがワフ21000形であった。ワフ21000形は1934年(昭和9年)に製造が開始され、全長7,030mm、自重9.3tで、2.0tの貨物を積載できる。国鉄の標準型有蓋緩急車では最も古くワフ25000形やワフ28000形の方が古臭く見えるが、実際にはこちらの方が新しい。戦後製の有蓋緩急車に較べると側面窓の位置がかなり低いのが外観上の特徴。国鉄が貨物営業を廃止した際に大量の貨車を一般向けに販売したことがあったが、その時に一番人気が高かったのが有蓋緩急車であったという。理由は事務所と倉庫の両方に使えるのが便利だということで、幼い頃の私の直感はまんざらでもなかったと、ちょっとだけ自慢に思った。 |